「籠屋ハセガワ」は宮城県東松島市で、
山葡萄の蔦やくるみの皮を使ったバッグや小物を製造・販売しています。
東松島市は、海のそばに田園と里山があるのんびりした街です。
140年前の蔵を改装した工房兼ギャラリーで、
素材と向き合いながら、ひとつひとつ丁寧に手作りしています。
天然素材のバッグは、近年ますます人気が高まっているアイテムです。
使い込むほど美しさが増し、親子で受け継ぐ方もいるほど。
しっとりとした手触りや編み目のおもしろさ、佇まいの美しさなど、
その魅力は数え上げればきりがありません。
籠屋ハセガワでは、伝統的な編み方をベースとしながら、
現代の生活にフィットするバッグや小物をつくっています。
当店の商品をご覧になって、
山葡萄の新しい可能性を発見していただけたら幸いに思います。
山葡萄は、森の中で蔦を伸ばし、木にしがみつくように育つ植物。あまりに固いので、梅雨の時期にしか収穫できないほどです。その力強さは加工後も失われることがなく、丈夫で型崩れせず、水や雨にも強いバッグや小物が出来上がります。現在は宮城県の山から採った山葡萄を使っていますが、工房の庭で自家栽培にも挑戦中。東松島の素材でバッグをつくることを夢見ています。
細く割いた材料は、水で濡らしながら、木の型に押し付けるように編みます。ある程度編んだら乾かすために数日放置。その後、隙間がなくなるように目を詰めていきます。どの工程も力仕事!暑い季節は汗だくになって編んでいます。編み目は、もっともベーシックな「あじろ編み」のほか、「花結び」、「うろこ編み」、「みだれ編み」などさまざま。好みの表情を見つけてください。
山葡萄のバッグの一番の魅力は、使い込むほど変化する色や表情。お手入れしながら長くお使いください。ケバが気になったら、亀の子たわしでブラッシングしてあげるのがおすすめです。オイルや蜜蝋で拭き上げる方法もありますが、一番いいのは人の手のあぶら。飾っておくより、ふだんの暮らしでたくさん使って、手で表面をなでてあげてください。長持ちの秘訣です。
明治時代に建てられた木造の蔵を改装し、工房兼ギャラリーにしました。蔵を直す技術を持った職人さんは今すでに少なく、70歳のベテラン大工さんに入っていただきました。木の特性を活かした柱や床にマッチするように、家具や照明にはヨーロッパのアンティークを用いています。古く、いいものに囲まれると心が穏やかになるもの。温かな空間で、ゆっくりお過ごしください。